正確である状態と、正確だと感じている状態は別物です。その差を見えるようにし、第三者の検証に耐える形にすることが、この事務所の仕事です。
数字が使えるようになる前に、まず検証されていなければならない——そういう仕事を7年続けてきました。
地方系の米国会計事務所で上級監査人を務め、後半は実質的に現場責任者として案件を回していました。担当の中心は日系企業の米国子会社で、日本の親会社監査人とのやり取りも含めた往査の設計と実行を担当していました。サンノゼとロサンゼルスの両拠点で、製造、半導体、食品製造、不動産、サイバーセキュリティなど複数の業種を見ています。
この経歴が、日系子会社の経理について具体的な意味を持ちます。親会社が何を求めてくるかを、受け取る側ではなく出す側として知っているということです。連結パッケージのどの欄で毎年つまずくのか、本社監査人がどの勘定から質問を始めるのか、決算期のズレがどの工程に効いてくるのか。これらは翻訳の問題ではなく、実務の構造の問題です。
FOG ADVISORYを作ったのは、成長段階の会社が単一の枠組みしか持たない助言ばかりを受け取っているからです。数字を見るフラクショナルCFO、戦略を見るコンサルタント、リスクを見る監査人。それぞれ本物の価値を出しますが、誰も完結した仕事をしません。統合する負担が、最後に経営者に戻ってきます。
私の主張は、意思決定に足る管理助言には四つの枠組みが同時に必要だということです。真実を検証するもの、思考を構造化するもの、採算を診断するもの、改善のリズムを作るもの。この四つを一人で同時に回すために設計した事務所です。
ご依頼はご紹介のみでお受けしています。案件数は意図的に絞っています。自分が説明できる水準で納めるほうが、説明できない量をこなすより良いと考えているためです。
業種ごとに、数字の歪みが出る場所が違います。どこを先に見るべきかは、その業種を見た経験からしか出てきません。
標準原価と差異分析、在庫評価、間接費の配賦。日系子会社が最も多い領域であり、本社の原価管理との接続が論点になります。
開発案件の進行基準、賃料の期間配分、資産の保有形態。収益認識の時期が論点の中心です。
繰延収益、ASC 606の履行義務、解約の影響。現金と収益が最も乖離しやすい業種です。